2022/08/08
                    聞いた話がこわくて、眠れない。思い出したくないことを、思い出してしまう。【イメージの書き直し】

このブログでは、助産師、精神科ナースを経て、公認心理士から、皆さんにお役に立てる事をお伝えできたらと思っています。ご参考になれば幸いです。
                        今回はカウンセラーの私も自分の子供たちに使っている、”子供が怖くて眠れない”というときの心のスキル【イメージの書き直し】についてお伝えします。
                        
                            ✔️怖いイメージ
                        
                        夏休みの時期ですね。夏といえば怪談!
                        我が家の子供たちも夏になると、先生やお友達から怪談話を聞いて、怖くて眠れないという日が毎年あります。
                        かくゆう私自身も怖がりで、気持ちが悪いものは苦手なので、今でもお化け屋敷は入れませんし、ホラー映画も見られません。
                        私はお化け屋敷に入らなければ良いのですが、子供たちが怖い話を思い出して、夜に怖くなってしまうのは、かわいそうですし、困りますよね。
                        そんな時などにお役に立つ心のスキルが【イメージの書き換え】です。
                        
                            ✔️イメージの書き直しとは
                        
                        私たちの記憶はイメージで残っていて、心の記憶の棚にたくさん保管されています。
                        思い出したくない記憶が出てきてしまうのは、例えると、観音開きの棚に記憶やイメージが整理されずに押し込まれていて、そのために勝手に扉が開いて、記憶が出てきてしまっているようなものなのです。
                        その記憶を整理して、きちんと棚にしまうことができると、不本意に出てきてしまう事が少なくなります。
                        「怖い記憶を思い出さなければいいのよ、他のことを考えればいいんじゃない」と子供に言っても、一時的には効果があるかもしれませんが、それでも怖い記憶は、イメージとして飛び出してきてしまいます。
                        子供も思い出したくない、他の事を考えようとすでに試していて、それでも思い出してしまうから、困っている、という場合が多いようです。
                        ✔️イメージの書き換えの方法
                        それでは具体的にどのようにやればいいのか見ていきましょう。
                        ① 今、頭の中に何があるのか教えて。
                        本人はそのことが怖いので、言うのをためらうかもしれません。
                        その時に、「ママがそばにいているから大丈夫、怖いものを一緒にやっつけよう」と励まします。
                        それでも、そもそも言いたがらなければ、イメージの書き換えは無理にできません。
                        「こんな方法で、思い出さなくできるようになるから、話してみようと思った時に声をかけてね!」と優しく伝えるといいでしょう。
                        ② 何が怖いの?
                        怖いことを表現できたら、次に”どうして怖がっているのか”を理解することで、その解決策が見えてきます。
                        子供が怖がっていることは、大人の私たちの思っていることと違うかもしれません。子供の視点って興味深いですよね。
                        聞いた後には、「それは怖かったね」と共感し、「よく話してくれたね」と十分にほめてあげて下さい。
                        ③ パパやママ、スーパーマンやレンジャー、プリキュアなど、あなたを助けてくれる強い人ってだれ?
                        次に、子供にとって、強くて、守ってくれる人をイメージさせます。
                        言葉だけではなく、どんな顔をしてるとか、服の色は何色?などと質問をして、子どもが具体的にイメージできることを手助けします。
                        「パパって、強いよね、どんな時にも守ってくれるよね、パパの顔をイメージしてみて。パパの強そうな顔。どんな服着てる?強くて、優しくて、戦うときのパパをイメージしてね。」などと声掛けしてみましょう。
                        ④ 怖さの対象をやっつける
                        もう一度、怖い状況を一緒にイメージしてみて、そこに③で考えた人を登場させてみましょう。
                        お化けをやっつける、お化けと友達になる、お化けを助けてあげるなど。
                        ②で話したことが解決できるように、話して、イメージを膨らませてみましょう。
                        そして最後は、③とハグ。助けてくれて、ありがとう!というイメージ。
                        みんな幸せになっていて、ニコニコになっている。
                        太陽がサンサンと輝き、お腹もいっぱいて、すごく幸せー!なイメージまで一緒に話します。
                        「パパがやっつけてくれるところ、イメージできた?そしたら、ありがとうって、パパにギュッとしよう。パパどんな顔してる?ニコニコ?〇〇ちゃんもニコニコになってる?お疲れ様って、美味しいものでも食べにいこうか。何食べたい?」
                        本人がしっくりくるイメージまで話し合えるといいですね。
                        ⑤ 今どんな気持ち?
                        「もう怖くなくなった。」と言えばそれで終わりでいいですし、まだ怖いということであれば、②から⑤までをやり直していきます。
                        子供が怖くて眠れないと話している時に、ぜひ試してみて下さいね!
                        カウンセリングでは、トラウマの記憶や過去の傷つき体験にこの記憶の書き直しを使う場合があります。
                        とはいえ、記憶の書き直しは一人で行うのは難しいと思われます。
                        ご自身で行う場合は、信頼できる人と話をしながら、過去の出来事と向かい合えるとよいですね。
                        ご自身では対応が難しいと感じる時は、お気軽にカウンセラーまでご相談ください。
                            こころのホームクリニック世田谷の「お母さんのためのカウンセリング」では、”お母さん”の皆様のご相談をお待ちしております。
                            世田谷区、杉並区、調布市、三鷹市にお住まいで、訪問診療、訪問看護をお考えの方はこちらをご覧ください。
                            
                        







